京都在住のユニークな女流歴史ファンタジー作家さんを紹介

The MEMORY EATERS  by JANICE TAY

記憶を喰らう女

ジャニス・テイ著

● 京都をテーマにした歴史ファンタジー

● 人の記憶を喰って800年の月日を生きるスーパーパワーの女性主人公の冒険奇譚

● シンガポール出身の女性作家による英語ノベル

ジャニス・テイはシンガポール出身の新人女流作家で京都に在住10年。オックスフォード大学で英文学を専攻した才媛です。京都をテーマにした歴史ファンタジーを英語で執筆しました。とても興味深い設定です。日本語化されるといいなと思っております。(サイト管理人)

あらすじ

”すだれ”(主人公:女性)は書道家であり、詩のマスターである。800歳という超人的な年月を生きてきて、今や死ぬことを渇望している。彼女は”きゅういん”(喰印)と呼ばれ、人間が忘れたいと願う記憶を喰らう精神世界の怪物であり、人間世界に紛れて住むために女の姿をしているが、年をとることがなく自身の記憶を何度も何度も消し去らなければならない定めの存在だ。800年にもわたるこのような繰り返しに飽いた彼女は清廉な餓死を選ぼうとする。

しかし、飢餓で狂人になったようなすだれの前に、男、(”あまど”と言う)が崩れ落ちるように現れる。武者集団に追われてきたようだ。すだれは思わずこの男の記憶を全部食べてしまった。この男はその人生の記憶を失ってしまった。すだれはこの男の記憶が戻るよう助けなければと自身の責任を決意する。

彼らは隔絶した寺から天皇のおわす都へと陰謀の渦中に巻き込まれるように旅に出る。娼婦街の赤提灯に隠された秘密をあばいたり、謀反を企てる侍の大将、もかがの手下たちをやり過ごしたりした。最利(もかが)の陰謀はすだれやあまどの信頼関係を壊す脅威でもあった。

豊穣なデイテールに彩られた歴史ファンタジーとして、本作品は読者を侍の時代の日本の冒険へとに誘う。巧妙なプロットと、複雑な個性そして生き生きとした背景、明らかに京都と判別できるリアルで魅力的な京都という物語の設定を含めて読者を引き込まずには置かない力作である。

著者の京都での生活体験と日本についての愛着が本物であることを感じさせる作品である。日本の歴史や民俗に深い影響を受けて、文化や言語に非常に繊細で造詣が深く、想像力に溢れながら、この小説はしかも伝統やライフスタイルそしてその時代の政治的緊張感まで映し出している。

心を鷲掴みにして感動的であり、深い思考に満ちて我々の記憶というものの探求、つまりは我々はどのように過去を記憶していて、その記憶はどのように今を生きる上で影響を及ぼしているのかについて深く考えさせられる作品である。

Janice Tay (ジャニス・テイ)

photo©️Reylia Slaby

シンガポール生まれ。英国、オックスフォード大学・聖ヒルダ校で英文学を専攻する。帰国後、シンガポールの新聞社、ストレイト・タイムズ社で編集者・記者として勤務。10年前に初来日、京都に一目惚れして以来、比地に在住。日本語も堪能。”Kyoto Unhurried” 『ゆっくりと京都』という京都の旅行エッセイ(英語)も出版している。

 

英語版 : The MEMORY EATERS  by JANICE TAY

版元:Straits Times Press, Singapore

判型:130 mm x 196 mm

ページ数:364pp

定価:S$18.50 (シンガポールドル)

ISBN: 978-981-4747-55-4

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